プラスチックス、ヒカシューと並びテクノ御三家とされたP-モデルのデビュー作であるとともに、日本のテクノ・ポップ史上に残る不朽の大名盤です。
問答無用の作品と思いますが、その音楽性はYMOなどとは明らかに異なり、冒頭の名曲「美術館で会った人だろ」をはじめ、シンセがピコピコ鳴っている点では確かにテクノでありエレクトロであるものの、そのサウンドの要があくまでディストーションの効いたギターであり、平沢進の吐き捨てるようなヴォーカルでありという点では、この作品の本質がテクノ・ポップというよりはパンクに近かったことは明らかで、だからこそその後のブームに埋没することなく未だ鮮烈な存在感を放っているのではないかと思います。
ディーヴォや初期XTCとの近似性もよく指摘されますが、あらためて聴いてみるとM-5「子供たちどうも」のキーボードはどう聴いてもバリー・アンドリュース（XTC）に瓜二つで、M-7「サンシャイン・シティー」に至ってはメロまで「ジャンピング・イン・ゴモラ」（『GO2』収録曲）なのはご愛敬ですが、それすら自らの強烈な個性の中に取り込んだうえでP-モデル・サウンドとして見事に成立しているのはやはり凄いことだと思います。
以下、ガイド本のレビューです。
「つんのめるような四角いノリの生ドラムがえらいスピードで爆走し、ピコピコしたカラフルなシンセ音はしかしすぐに悲鳴に変わり、ブルース・コードを意図的に避けたギターがカキコキ弾かれる。そして歌は意思疎通の断絶を幾重にも重ねた言葉の迷宮…を三分以下に凝縮させたテクノ・ポップ史上屈指の名作。代表曲「美術館で会った人だろ」以下11曲捨て曲なし。典型じゃないけどこれほど高密度のテクノ・パンクは他に類がない。ディーヴォ、XTCの『GO2』、レッドノイズ、果てはポリシックス系ならど真ん中でしょう。前身がプログレバンドゆえ演奏は御三家の中でも群を抜いて上手く、意図的に奇妙にされたアレンジや歌詞など、とにかく発想の飛躍が大胆であった。パンク～ニュー・ウェイブに触発されたとはいえ、テクノポップの一面である「素人の瞬間芸」や「カッコつけ」といった部分とは対極の位置にP-モデルは存在し、独自のスタンスを持ち続けながら約10年間活動し一旦解散。その後90年代にメンバーを一新して二度の復活をしている。」
品の状態は次のとおりであり、盤・ジャケとも良好な状態です。
なお、本CDは'92年になってはじめてリリースされた初回CDで、コレクションとしても大変貴重な品かと思います。
■規格：国内盤（'79年作品／'92年ワーナー・ミュージックWPCL-603／定価\1,800税3%）
■盤質：良好（無傷）
■ジャケット：良好
■帯：あり
■ケース：概ね良好（若干スレ・傷あり）
■その他：歌詞付き
送付方法はクリックポスト便（補償なし\185）、お支払い方法はヤフーかんたん決済にてお願いいたします。
なお、再生不能時以外のクレーム、ご返品はご容赦頂くようお願いいたします。
以上、よろしくお願いいたします。
